キャンプは好きだけど、準備と撤収だけで疲れてしまう
車への積み込みがテトリス状態で、腰が痛い
もしそう感じ始めているなら、それはあなたのキャンプスタイルが次のステージへ進化するサインかもしれません。
今、ベテランキャンパーの間で注目されているのがUL(ウルトラライト)キャンプです。これは単に荷物を減らして不便を楽しむことではありません。
無駄を削ぎ落とし、本当に必要なものだけを厳選することで、設営・撤収の時間を劇的に短縮し、本来の目的である自然と向き合う時間を最大化する。
そんな、大人の知的な遊び方へのシフトチェンジです。今回は、装備を劇的に軽くするためのロジックと、具体的なステップを解説します。
なぜ今UL(ウルトラライト)キャンプなのか?移動と時間の自由
元々、長距離を歩くハイカーのために生まれたULの思想ですが、オートキャンパーやツーリングキャンパーにこそメリットがあります。
最大の恩恵は時間です。
荷物が少なければ、車からの搬入は1回で済みます。テントも小型なら設営は10分。撤収も一瞬です。浮いた時間はすべて、焚き火を眺めたり、ゆっくりコーヒーを飲んだりする贅沢な時間へと変わります。
また、お悩みを持つ方にとっては収納問題の解決策でもあります。
ギアがコンパクトになれば、自宅の収納スペースを圧迫せず、奥様の冷ややかな視線も和らぐかもしれません。不便を楽しむのではなく身軽さを楽しむ。これが現代のULキャンプの本質です。
ギアを軽量化するための具体的5ステップ・まずは測ることから

では、具体的にどうやって減らせばいいのか。感覚だけで減らすとあれがない!と困ることになります。論理的に軽量化を進めるための5つのステップをご紹介します。
ステップ1:すべてのギアの重さを測る
ダイエットと同じで、現状把握がスタートです。キッチンスケールで一つ一つのギアの重さを測り、スマホのメモやエクセルに記録してみてください。なんとなくではなく数値化することで、このランタン、意外と1kgもあるのか……という気付きが生まれます。
ステップ2:不要なものを削る
念のためと持って行っている予備のペグ、多すぎる着替え、使わなかった調理器具。前回のキャンプで一度も触らなかったものは、勇気を持ってリストから外します。
ステップ3:1つ2役で兼用する
専用の道具を減らします。例えば、クッカーをそのまま食器として使えば皿は不要。シュラフの袋にダウンジャケットを詰めれば枕になります。ナイフがあればハサミはいらないかもしれません。
ステップ4:小さいものに置き換える
機能は同じでも、よりコンパクトなものへ買い替えます。大きな焚き火台をソロ用の軽量モデルに、厚手のアウターを薄手のダウンに。これが最も効果的で、かつギア選びの楽しさがある部分です。
ステップ5:消耗品を適量化する
調味料や洗剤をボトルのまま持っていっていませんか? 1泊で使う量はほんのわずかです。小さな小瓶やタレビンに移し替えるだけで、数百グラムの軽量化になります。
素材で見分ける重いギアと軽いギア・ステンレスからチタンへ
ギアを買い替える際、最も注目すべきスペックは素材です。
デザインだけで選ぶと重くなりがちですが、素材の特性を知れば、見ただけでこれは軽そうだと判断できるようになります。
① ステンレス(重い・丈夫・安い)
焚き火台やクッカーによく使われます。頑丈で手入れも楽ですが、ずっしりと重いのが難点。オートキャンプなら良いですが、ULを目指すなら見直しの対象です。
② アルミ(軽い・熱伝導が良い)
クッカーやテーブルの素材として優秀です。ステンレスの約1/3の軽さで、熱が伝わりやすいため調理に向いています。価格も手頃で、軽量化の第一歩におすすめです。
③ チタン(超軽量・強い・高い)
ULキャンパーの憧れ素材。ステンレスの約6割の軽さながら強度は同等以上。マグカップやカトラリー、アルコールストーブなどに使われます。値は張りますが、その軽さと独特の焼き色は所有欲を満たしてくれます。
目指す指標はベースウェイト(食料・水・燃料を除いた装備重量)7kg。
これを切ると、バックパック一つでキャンプに行けるようになり、世界が変わります。
道具を厳選し、身軽になったら、次はいよいよ実践です。
せっかく軽量化して時間を生み出したのですから、当日のスケジュールもスマートにこなしたいもの。次回は、設営から撤収までを完璧にコントロールするキャンプ当日のタイムスケジュールの正解を解説します。

