初めて買ったテント、そろそろ買い替え時かな……
エントリーモデルのテントを使い倒し、キャンプの楽しさと同時に道具の限界も見えてくる頃ではないでしょうか。
もし、あなたが次のテントを探しているなら、デザインや広さだけで選ぶのは少し待ってください。
前の記事でお話しした通り、多くのテントは加水分解という寿命から逃れられません。しかし、世の中にはこの化学的な寿命を超越した素材で作られたテントが存在します。
10年経っても劣化しない孫の代まで使える
そんな嘘のようなタフさを誇るプロスペックな素材。今回は、中級者へステップアップするための素材で選ぶテント論について解説します。
長く使うなら素材で選ぶ視点を持つ・脱・PUコーティング
一般的なテントの多くは、ポリエステルやナイロンの生地の裏面にポリウレタン(PU)コーティングを施して防水しています。
安価で防水性が高い反面、水分と反応して分解し、数年でベタベタになる運命(加水分解)にあります。
つまり、長く使えるテントを選びたいなら、PUコーティングを使っていない(または依存していない)テントを探せばいいのです。
これは、スペック表の素材(Material)欄を見れば一目瞭然です。
ショップの展示でカッコいい!と飛びつく前に、スマホでそのテントのスペックを検索してみてください。そこにPUという文字がなければ、それは一生モノのパートナー候補になり得ます。では、具体的にどんな素材が最強なのでしょうか。
加水分解しにくい最強素材とは・伝説のケルロンとシルナイロン
軽量かつ最強の耐久性を求めるなら、答えはシルナイロン(Silnylon)一択です。
これは、ナイロン生地にシリコンを染み込ませた(含浸させた)素材です。
通常のPUコーティングが生地の表面に膜を貼るだけなのに対し、シリコンは繊維の中にまで浸透して一体化しています。シリコンは化学的に非常に安定しており、水分と反応しません。つまり、理論上、加水分解が起きないのです。
特に有名なのが、スウェーデンの高級テントメーカーHILLEBERG(ヒルバーグ)が独自開発したKerlon(ケルロン)という素材です。
驚くべきはその引き裂き強度。生地に少しハサミを入れて力いっぱい引き裂こうとしても、大人の男性がぶら下がれるほど頑丈で、決して裂けません。
価格は一般的なテントの数倍(10万円〜)しますが、10年、15年と使い続けてもサラサラのまま。中古市場でも値崩れしないため、長い目で見れば決して高い買い物ではありません。
自分のスタイルに合ったテントへの買い替え・火に強いTC素材

そこまで過酷な登山はしない。もっと焚き火を楽しみたい
そんなオートキャンパーにおすすめなのがTC(テクニカルコットン)素材です。
ポリエステルとコットン(綿)の混紡素材で、最近のキャンプシーンで大流行しています。
この素材のメリットは、コットンの特性である通気性のおかげで、結露しにくく、PUコーティングによる完全防水を必要としない点です(※撥水加工のみのモデルが多い)。
コーティングがないため、当然ベタつきようがありません。
さらに、熱に強いため、テントの近くで焚き火をしても火の粉で穴が空きにくいという大きなメリットがあります。
重量が重く、雨に濡れると乾きにくいという弱点はありますが、車移動がメインなら問題になりません。
加水分解しない火に強い風合いが良い。この三拍子が揃ったTCテントは、まさに大人の隠れ家にふさわしい選択です。

